巣/人生の意味/植毛

note  https://note.com/rikokakeru/ツイッター @kakeruuriko

球と棒、宮と塔、世界の中心と世界の果てについて《ナラティブ》

球は言葉としては『定点Cから等距離 r にある空間内の点全体の集合』のように表される。それは角ばっておらず、滑らかである。最も重要なのは等しさ、偏りのなさであり、完全な球体はネットミームとして有名だ。球技というものは球を高速でやり取りするものだが、やはり空間、空気との接触の公平性や衝突時の負担という面で球の形は優れているのだろう。ラグビー程度のアレンジならともかく、バトミントンなどのレベルにまで球性を失わされた競技は球によって行われる球技と全く異なった競技性のもとに成り立っているのではないか。もちろん放言である。詳しいことは知らない。

 

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政治

政治

まず私が政治に興味を持ったのは大3~4の頃である。ネット右翼だった高3~大2時代もあるが、自分が政治的な存在だという意識もなかったし、大した自我もなかった気がするのでノーカンとしておく。大3~4頃は何か文章を書きたいと思っていたが、さしあたり書きたいことがなかった。本当のことを言うと感傷について書きたいと思ったり書いたりしていたが、それだけでは字数が少ないし迫力に欠けるので、何か箔のつく教訓もテーマにしないとちゃんとしたものにならないと思っていた。そう思いながらTwitterをやっていて、目に入ったのが外山恒一氏だった。

 


外山恒一の政見放送 [2007/03/25]

 

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道徳《モラリティ》

 

メタ倫理学入門: 道徳のそもそもを考える

メタ倫理学入門: 道徳のそもそもを考える

 

 

自分は道徳的な人間でありたいという願望が強かったのでよく道徳を勉強したこともあるが、厳密に道徳を運用することは倫理という概念に相当し、道徳は丁度良い中道、極端に偏らない多面的なものの見方を理想に置くものであった。道徳をよく勉強することで身につくのは道徳性というより道徳の抜け道らしい。知ってしまったらもとには戻せない類の知識だが。良心に差し障る価値判断を行う際は倫理面での検討を行い、また自分を含む当事者間での感情を踏まえてバランスの取れた結論を下したいという欲求の丁度良さについて模索する癖がついた、ように思う。威張ることではない気がする。

 

「道徳って本当は何だかわかる?」ベッカーは冷静に相手の目を見つめた。「それは自分の子供を助けるために、知らない子供二人を死なせること。それは誰かを殺したとき、相手の目を見つめていたら何か違いがあると考えること。それは小胆さと臆病さと、誰かに子供たちのことを考えさせないこと。合理的なものじゃないのよ、アマル。 倫理的でさえない」

ピーター・ワッツ. 巨星 ピーター・ワッツ傑作選 (創元SF文庫) (Kindle の位置No.2565-2569). 株式会社 東京創元社. Kindle 版.

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幻想再起のアリュージョニストを読んでください

長々と書きたいという気がずっとあるんですが、俺の説得を読んでいる時間があるならその時間をあててでも読み進めてくれと思ったので一回読み方だけでも置いておこうと思います。幻想再起のアリュージョニストを読んでください。最近氏が小説家になろうで連載中のライトノベルです。

https://ncode.syosetu.com/n9073ca/

普通のライトノベルなので第一話から読んでいくのが王道です。設定や伏線が色々あるので分かる範囲で出来事を追っていくのがコツです。そういう気楽読みがラノベの普通の読み方だと思いますけど。他には、俺が好きな回でかつ前知識一切なしでも短編として読める気がする回があるので勧めておきます。

https://ncode.syosetu.com/n9073ca/92/

これを読んで、ここから次の93話へと読み進めるのはちょっとお勧めしづらい(キャラとか把握できにくいと思う)んですが、ポジティブにそういう挑戦をするのもアリかもしれません。実際にはここで気合を貯めて1話から挑むことを勧めたいです。結局のところ全話読んでほしいだけなんですが、長いので勧め方にも一工夫したいなと思ってしまう。現行連載中の5章もまだまだ途中(2020/4/17現在212話)なので全話はある意味語弊があるんですが、次話待機時間も楽しいよ。

あと、『もしサイバーパンク世界の住人がオカルトパンク世界に転生したら~創世のアリュージョニスト~』という二章ifっぽいのが始まり、こちらを読んでもいいかもしれません。個人的には推しキャラのマイカール・チャーラム(149話から登場)を一秒でも早く見てほしいし、どうせハマったら全部読むので本編から読んでほしいですが、そういうルートもあります。

https://ncode.syosetu.com/n0086gd/

好きなweb小説紹介でした。

俺と音楽の話

 やや時系列順。音楽に限定して書こうとするのも諦めたので、『音楽を起点に連想される、俺のろくでもない思い出話またはくだらない意見』とでも言うような内容。貧乏性なので書いた物は載せる。

 

 

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創造の改稿(1/2)

はじめに神は天と地とを創造された。神はふたりに言った。

「この世界を任せよう。力を合わせて、ここを素晴らしいもので満たしなさい」

そして、力として2つのものを与える準備があると言った。即ち、知恵と生命である。話し合って天が知恵、地が生命を扱うと取り決められた。神が去ると、二人は分担して彼らの仕事を果たそうとした。天は飛び上がって言った。

「光あれ」

知恵なる声が効力を発揮し、輝いて周囲が照らされた。天が下を見ると、地は己の身体を引き裂いて水を湧き出させていた。大地の全てを覆うまで、かの者は絶えず血を流さなければならない。

地が見えなくなるまで昇ると、天は自分の仕事に取りかかった。最初に作った、最も大きくて熱と力を伴った光を太陽と呼んで、決められた時間で動くことを定めた。太陽が大地を照らし出す時を昼、太陽が働かない暗がりの時間を夜とすると、夜にもまたわずかな光を星として並べ、時や方向、季節の標になるようにその配置を整えた。

仕事を済ませると、天は元のところまで降った。地は陰で休んでいた。天が尋ねると地は仕事ぶりを次の様に話した。十分に水を流して傷を塞ぐと、陸と海を分け、草木を生やし、種々の生き物を住まわせた。即ち、空には鳥を、海には魚を、野には獣を住まわせた、ということだった。天はそれを聞くと、自分の為したことを地に話した。彼らは互いにそれらの成功に満足した。

最後に、天と地は力を合わせて似せものの神を創造した。つまり、地がその形へあつらえた土に天が息を吹き込むことで生ける者としたのだ。それが最初の人である。天と地は彼のため、最も良い土地に食べられる実のなる全ての木を生やしてそこに住まわせた。また、最初に神に与えられた知恵と生命を大樹へと翻訳し、園の中央に置いた後、次のことを言った。

「この二つの樹が、われわれとお前の結ぶ契約の印である。これらが損なわれない限り、われわれはお前の望みを叶えるから、お前は約束を守って、命じられる仕事を果たしなさい」

最初の仕事として、人は空と海と野の全ての生き物を分類して名付けることを命じられた。それを終えると、彼は報酬に自分のつがいを望んだ。天と地はそれを聞き届け、人の寝ている間に彼の肋骨を抜き取り、それを材料に一人の女を作って彼の所へ行かせた。それで、彼らはつがいで暮らすようになった。ふたりとも裸であったが、恥ずかしいとは思わなかった。