巣/人生の意味/植毛

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2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

手紙魔まみ感想195・196

神様、いま、パチンて、まみを終わらせて(ウサギの黒目に映っています) パチンは瞬きのことも含んでいるのかもしれない。『(会話文)(神様、まみを、終わらせて)パチン』という下の句に統一された歌がこの後4つ続く。繰り返しで迫力が出るという技法の…

資格スクールへ通えということ

朝起きると父がまだ起きていなかった。だから家で焼いている食パンを切ることが出来ないで、食べることが出来なかった。起きてくるとやや不均等にパンを切られ、それを僕は食べた。僕は食事中にしかリビングにおらず、その時間帯だけテレビを見る。NHKの朝ド…

手紙魔まみ感想193・194

アルトじゃなくてソプラノになりたかった、まみじゃなくてマルの恋人に アルトも女性の歌声の音帯を指し、ソプラノよりも低い。高い声の方が女性らしくて素敵だというイメージで、もっと魅力的でありたかったという願いについてである。定型から逸脱し、飾ら…

手紙魔まみ感想191・192

トランプ カジッタノオコッテナインデスネ? 熱のある人とおんなじ匂いのウサギ カタカナはウサギの視点だろう。音数も全く無視して具体的な出来事について触れている。作中主体だろう飼い主の気を推し量っておどおどしている。そのウサギを作中主体は『熱の…

手紙魔まみ感想189・190

ぼたん雪のなかでみつめるおとなしいおとなしい教習車の群れを 意味の句切れが定型から外れている。また、『ぼたん雪のなかで』『おとなしいおとなしい教習車』『教習車の群れ』のあたりに意味の違和感もある。ありえない、過ぎた強調、ありえないという風に…

手紙魔まみ感想186・187・188

この手紙よんでるあなたの顔がみえる、横がおと、正面と、みえる 上の句は二句目三句目で字余りが連続する。下の句では四句目は五音の字足らず、五句目は八音の字余りに句点による強引な定型の逸脱を作っている。 『よんでる』『みえる』『横がお』など平仮…

手紙魔まみ感想184・185

なんだよおぜんぜんなんも食えるとこねえじゃねえかと蟹を怒る 蟹へ話しかける(怒る)という実際には意味のないことを、『なんだよ「お」』『ね「え」か』と長音の強調を交えた真剣みの演出の中でやっていくということがこの歌の面白みなのだろう。『と蟹を…

手紙魔まみ感想182・183

星の夜ふたり毛布にくるまって近づいてくるピザの湯気を想う 五句目がかなり無理やりに字余りしている。その要因になるのが『ピザの湯気』で、不自然さが高い。存在はするだろうが、ピザの湯気を気にすることは実際的なことではないにもかかわらず、語感をい…

手紙魔まみ感想180・181

一点透視図法の奥に静かなる三角山がみえております 専門用語的な図画技法、文章的修飾、ガイド語が混合されている。読み言葉、聞き言葉といった方向が強く、短歌とも話し言葉とも違うベクトルで、違和感が滲む。 ひときわ目立っているように思われるのは『…