巣/人生の意味/植毛

note  https://note.com/rikokakeru/ツイッター @kakeruuriko

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

シンジケート考察30・31

パーキングメーターに腰かけて夜に髪とき放つ 降れキューティクル パーキングメーターは有料駐車場で車の駐車時間に合わせて料金を徴収する機械。最近は別システムに変わりつつある。キューティクルは髪の表面の組織。キューティクルケアがどうこうという宣…

シンジケート考察28・29

悪口をいいあう やねにトランクに雲を映した車はさんで 『車はさんで』『悪口を言い合う』。けんか中だろう。その間の『車』には『雲』が映っている。深刻なものではなく、ちょっとしたじゃれ合いのようなもののように見える。雲、空が映った車はそのような…

シンジケート考察26・27

新品の目覚めふたりで手に入れる ミー ターザン ユー ジェーン ターザンは有名な映画、小説の主人公。半裸でジャングルを飛び歩く野人。ジェーンはその恋人、妻。 四句、五句が短い。空白が存在することも英語風であるといえる。 『新品の目覚め』とは、生ま…

シンジケート考察23・24・25

「とりかえしのつかないことがしたいね」と毛糸を玉に巻きつつ笑う 作中主体はこの人物に笑いかけられている者だろう。カップルの短歌に見える。 『毛糸を玉に巻きつつ』が特徴的。例えば毛糸をめちゃくちゃに投げ出す、というのもなかなかに『とりかえしの…

シンジケート考察21・22

抱き寄せる腕に背きて月光の中に丸まる水銀のごと 抱き寄せられることに反して、月光の中で水銀のように丸まる。「『水銀のごと』『丸まる』」はある意味独特と言える。水銀は常温で液体なので、当然自然には丸まらず、円形の器に入れるなどすれば丸まる。黙…

シンジケート考察19・20

モーニングコールの中に臆病のひとことありき洗礼の朝 モーニングコールはホテルなどで朝に起こしてもらうことを目的として電話をかけてもらうこと。今では客室に目覚ましがあるなどの理由から行われない場合が多い。ケータイにも目覚ましがあるのも大きいで…

シンジケート考察 16・17・18

短歌中の一人称について、「詠み手」と適当に表記していましたが、「作中主体」というのが語として適切らしいと知ったのでそれを使うことにします。 体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ 『ゆひら』が分からなかったのでぐぐると体温計…

シンジケート考察14・15

舞う雪はアスピリンのごと落丁本抱えしままにかわすくちづけ アスピリンは解熱鎮痛剤。熱などで服用。白い錠剤。落丁本は印刷の不手際でページが抜けている本。順序がバラバラになっている場合は乱丁本。 『雪』の中での『くちづけ』という古典的なシーン。…

シンジケート考察 12・13

水薬の表面張力ゆれやまず空に電線鳴る十一月 表面張力は液体が空気と触れる面を少なくしようとする性質。水滴が丸いのはこのため。 殺風景であり、詠み手すら存在感が全くない。『水薬』『電線』が登場物で『空』は場所、舞台。『表面張力』は『水薬』の有…

シンジケート9・10・11

プードルの首根っ子押さえてトリミング種痘の痕なき肩よ八月 トリミングは動物の毛を刈って整えること。プードルは特に毛が多くトリミングの腕が試されるようで、うまいと宣伝になるのかトリミングの参考例に出ていた。種痘は天然痘の予防接種。天然痘は高い…

シンジケート7・8

泣きながら試験管振れば紫の水透明に変わる六月 試験管を振って水の色の変化を観察する実験は滴定だろう。水の酸価の変化を確認できる。 六月といえばじめじめとした梅雨というイメージがある。この短歌も、雨ではないものの水があり、六月から紫という色が…

シンジケート 5・6

郵便配達夫(メイルマン)の髪整えるくし使いドアのレンズにふくらむ四月 「郵便配達夫(メイルマン)」がまず特徴的で、目に引っかかる。身近な存在なのだが、普段はそう呼ばずに「運送会社」などと会社や業種名でその個人も刺すことが多い気がする。郵便配…

シンジケート 考察2・3・4

停止中のエスカレーター降りるたび声たててふたり笑う1月 停止中のエスカレーターに乗ったり降りたりして遊んでいる子供を見ている風景のようだ。「声を立てて笑う」から子供であるような気がした。正月に久しぶりに出会った親戚の年の近い子供が二人でデパ…

シンジケート 考察1

風の夜初めて火を見る猫の目の君がかぶりを振る十二月 十二月で結ばれている。まず最初に最後が月で締められる短歌が続くのである。始まりが十二月からで、十二、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一の順序である。なぜだろう。一月から、または四…

予定と動機

即興小説は毎日やるのはやめます。(やめています)週一くらいでやるかもしれません。夏休みで実家に帰ると、無意味すぎる文章を書くことの苦痛がかなり大きくなりました。一人でいる時だとノッてくると楽しいというときがあったのですが、人と居る時間が多…