巣/人生の意味/植毛

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2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

シンジケート感想147・148

桟橋で愛し合ってもかまわないがんこな汚れにザブがあるから 桟橋は船を着岸するための橋状の係留施設。ザブは花王から発売されていた洗濯用合成洗剤。1999年に発売終了。「頑固な汚れに、ザブ」のキャッチコピーでコマーシャルされた。 『愛し合』うことは…

シンジケート感想145・146

空の高さを想うとき恋人よハイル・ヒトラーのハイルって何? ハイル・ヒトラーはナチス時代にヒトラーをたたえる掛け声。ハイルの意味は万歳に近いらしい。意味で区切れば七・五・五・七・七で、定型ではない。 『ハイル・ヒトラー』はナチスの象徴であるが…

シンジケート感想143・144

ベーカリーのパンばさみ鳴れ真実の恋はすなわち質より量と 『ベーカリーのパンばさみ』へ『鳴れ』と命令し、しかもその内容は『真実の恋はすなわち質より量』。無生物で、本来の目的がしゃべることでも音を出すことでもない物へ、意味のこもったメッセージを…

シンジケート感想141・142

「メイプルリーフ金貨を噛んでみたいの」と井辻朱美は瞳を閉じて メイプルリーフ金貨はカナダの金貨。非常に純度の高い金でできている。金貨を噛む行為は昔、取引の際に純度を確かめる目的で行われていた。オリンピック等でメダルを噛むパフォーマンスは定番…

シンジケート感想139・140

3 天津甘栗 終わりに近づいていて、夏→風→秋とテーマになっている。 秋になれば秋が好きよと爪先でしずかにト音記号を描く 『秋が好きよ』と言いながらも『爪先でしずかにト音記号を描く』という話半分、退屈という様子は、特段嫌いではないけれど、という…

シンジケート感想137・138

試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめをとじたまま 『風』テーマ。 『風の匂い』は実際にはグラウンドの芝か何かの匂いだろう。なんとなく目を閉じてみると、思いのほかよい風が吹き、心地よい気分になったという。『めをとじたまま』というのは見えな…

シンジケート感想135・136

パレットの穴から出てる親指に触りたいのと風の岸辺で 『風』は前の首とかぶっている。『触りたいの』は話し言葉である。絵を描いている恋人(?)にちょっかいをかけた、という内容だろう。 『パレット』『風の岸辺』という明るさを感じる語、『親指に触り…

シンジケート感想133・134

空転の車輪しずかに止まっても死につづけてる嘘つきジャック 空転は車輪の空回り。空転の車輪は車輪刑を指していると思われる。人間を車輪に括り付けて回転させることで、遠心力によって体が引き裂かれる。カタリナという車輪の拷問を受けた成人にちなんで、…

シンジケート感想131・132

真夜中の大観覧車に目覚めればいましも月にせまる頂点 大観覧車で眠り、起きると頂点につくところだった、という内容。 定型であり、その分違和感なく内容が受け取られる。物理法則や一般常識に当てはめてありえない事態が現出しているわけでもない。 観覧車…

シンジケート感想129・130

シャンデリア引き降ろされて洗われる夕べおろかな約束ひとつ シャンデリアは照明器具の一種で、装飾的な意味合いが大きい。掃除の際には引き降ろして洗う。業者に任せることも多いらしい。 『洗われる夕べ/おろかな約束』『洗われる/夕べおろかな約束』の…

シンジケート感想127・128

目をみちゃだめ 前夜(イブ)のための前戯か頬をうちあえばあかあかと唐がらしの花環(リース) 『前夜(イブ)』とあるから、『花環(リース)』はクリスマスリースと想像される。 頬を打ち合ったので、腫れてあかあかと見え、唐辛子のリースのようだ、ということな…

シンジケート感想124・125

海にゆく約束ついに破られてミルクで廊下を磨く修道女(シスター) 夏らしい語として『海』がある。そこに行くという約束が果たされなかったことから、自棄になって廊下掃除をミルクでしている。 『ついに』によって、最初は延期などだったのに、延び延びにな…

シンジケート感想123・124

夏の終わりに恐ろしき誓いありキューピーマヨネーズのふたの赤 七・五・五・十・五。 恐ろしき誓いについての情報もキューピーマヨネーズのふたがどう関係しているのかも全く情報がなく全体的に取りようがないが、個人的には直感的に面白いとは思った。 三句…

シンジケート感想121・122

自転車の車輪にまわる黄のテニスボール 初恋以前の夏よ 自転車の車輪にテニスボールを付ける習慣については、個人的にはあまりなじみがないが、それなりによくあることらしい。バランスのためだとか取り出して遊べるという目的で行われる。 『初恋以前の夏よ…

シンジケート感想119・120

若き海賊の心臓? 真緑に揺れるリキッドソープボトルは 『リキッドソープボトル』は要するに洗剤入れのことで、それが『若き海賊の心臓』に見えたといっている? 『真緑に揺れる』のこともよくわからない、中の洗剤が揺れている様子? 『海賊』『心臓』など…

シンジケート感想117・118

「自転車のサドルを高く上げるのが夏をむかえる準備のすべて」 『すべて』と言い切っているところに爽やかさがある。背の高い知り合いが来るのだろうか。春から薄着をするような元気のある子なので夏の準備が少ないのかもしれない。 親に「夏の準備をしろ」…

シンジケート感想115・116

「吼え狂うキングコングのてのひらで星の匂いを感じていたよ」 キングコングはアメリカの特撮映画、またはその中に登場する巨大なゴリラ。島から連れてこられて見世物にされるが鎖を引きちぎって脱走し、島で仲良くなっていた女性と遊んだりなんだりして最後…

シンジケート感想113・114

「ボーカルは顔ばっかりでマフィアならゴッドファーザー級クラスの音痴」 マフィアはイタリアの暴力組織。ゴッドファーザーはマフィアなどのボスの尊称、呼称。もともとはカトリックによる洗礼時の代父。 あまり語り掛けとしてのことばには見えず、普通の短…

シンジケート感想111・112

「おじさん人形カーネル・サンダース相手にどもっているようじゃパパにはとても会わせられない」 カーネル・サンダースはケンタッキー・フライド・チキンの創業者、ハーランド・デーヴィッド・サンダースの通称。カーネルはアメリカのケンタッキー州に貢献し…

シンジケート感想109・110

チェシャ・キャッツ・バトル・ロイヤル 「林檎の皮をあげにゆこうよクラクションの真似しかしない馬鹿なオウムに」 『チェシャ・キャッツ・バトル・ロイヤル』の歌は全て会話文。チェシャ猫は不思議の国のアリスに登場する架空の猫。 『林檎の皮』といういか…

シンジケート感想107・108

人はこんなに途方に暮れてよいものだろうか シャンパン色の熊 シャンパン色は透明感のある黄金色。 七・七・八・九。四句だが三十一音より多い。 実際このような色の熊もいるだろうが、個人的な直観としてテディベアが思い浮かんだ。その印象から歌全体をテ…

シンジケート感想105・106

春を病み笛で呼び出す金色のマグマ大使に「葛湯つくって」 マグマ大使は手塚治虫による同名漫画の主人公。金色。マモル少年に笛で呼び出され、敵と戦うロケット人間。葛湯は葛粉を原料とするとろみのある飲み物。温かく、風邪に対して効用がある。 『春を病…

シンジケート感想103・104

ながいこわい夢を洗い流してくれO₂ケアより優しい声で O₂ケアはコンタクトレンズの洗浄液。読みはオーツーだろう。 六・六・六・八・七。流すという内容に反して読み流しずらく、じわじわと残る。音の切れ目のない冗長な調子は『ながいこわい』につながる。 …

シンジケート感想101・102

花びらに洗われながら泣いている人にはトローチの口移し ほぼ定型だが、トローチが四句・五句の間で切れている。『花びらに洗われながら泣いている人』は何となく想定できる。そういった人を見たのかもしれない。しかし『トローチの口移し』は現実ではなく、…

シンジケート感想99・100

だけどわかっていたらできないことがある火のゆりかごに目醒める硝子 目覚(めざ)めるではなく目醒(めさ)める。 三・七・九・七・七。三句目まで変則。初句からいきなり逆接の『だけど』、補うとすれば『わかっていたらできないことがある』の逆であるか…

シンジケート感想98

後ろ手にかくしてるのはパトカーの頭にのっけてあげるサイレン? クエスチョンマークで情報量を増やしている。会話文風、『のっけてあげる』も口語的。『かくしている』のはなぜか、というところからも考えられる。覆面パトカー。

シンジケート感想96・97

深すぎる覚醒に総べられしテロリストに紫陽花色の銃身 無理やり五・七・五・七(八、字余り)・七に音を当てはめることもできるが、意味を通すならば五・十・六・七・四などになる。 『深すぎる覚醒に総べられしテロリスト』は暴力的カルト集団のことか。『…

シンジケート感想94・95

船の名を読むために銅貨落とし込む鳩の糞まみれの双眼鏡ピノキュラー 『銅貨落とし込む』は観光地にある有料の双眼鏡に金を入れることを指しているのだろう。外に置いてあるので、『鳩の糞まみれ』ということも十分にあるが、それでも見たいものがあるなら使…

シンジケート感想92・93

星は朝ねむる 彗星をつかんだからさマネキンが左手首を失くした理由は 全体的に明るい雰囲気があるが、『マネキン』が所詮は人形であることが大きく、手首を失くしたところで大きな問題にならないことが原因か。『つかんだからさ』と、全くありようのないこ…

シンジケート感想90・91

愚かなかみなりみたいに愛してやるよジンジャエールに痺れた舌で ジンジャエールは、ジンジャー(しょうが)で味付けし、カラメルで色を付けたノンアルコールの炭酸飲料。しょうが独特の辛みが特徴的。 四・八・七・七・七。『愚かなかみなり』は形容詞と対…