巣/人生の意味/植毛

note  https://note.com/rikokakeru/ツイッター @kakeruuriko

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ラインマーカーズ感想68・69

さみしくてたまらぬ春の路上にはやきとりのたれこぼれていたり 『さみしくてたまらぬ』という率直な思いの表明、『やきとりのたれ』が『路上』にこぼれていることが特徴。焼鳥屋の前なのだろうか。そこからの喧騒が『さびしくてたまらぬ』という思いに拍車を…

ラインマーカーズ感想66・67

責めつづける論理きわまる暁のアクアマリンという石の色 暁は、ここでは日の出前ではなく、「あかつきには」などの用例のその後という意味だと思う。 そうはいってみたものの、全体的によくわからない。『責めつづける』から不穏な感じが読み取れる、怒りす…

ラインマーカーズ感想64・65

硝子の外ははるのかぜ 恋人が怒った顔でわたす知恵の輪 『はる』は平仮名になっている、一句目と二句目の五音と七音が逆転している。『怒った顔』とあるが『知恵の輪』とあり、『はるのかぜ』が『硝子の外』という外部に隔てられていることからも、平和を感…

ラインマーカーズ62・63

約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降る春の雪 『春』と直接的に述べられた歌が並んでいる。講演でぼんやりと考え事をしている様子が浮かぶが、『したけどたぶん守れない』の口語調がそのような効果を生んでいる? うちの猫、ドッグフードが好き…

ラインマーカーズ60・61

両膝をついて抱き合う真夜中のフリーザーには凍る食パン 前歌の『ジューサーとミキサー』を連想させる『フリーザー』が登場し、そこで『凍る食パン』とともに『抱き合』っている人物たちの生命力に対比させられている。『真夜中』という時間設定は相変わらず…

ラインマーカーズ58・59

ひらがなっきゃ読めない人の手を引いてあかるいあかるい月の道です 『ひらがな』について直接的に言及されている。前にもいくつかひらがな表記が特徴となるものがあって、それを踏まえてということになる。感じの変わる四句目以後の『あかるいあかるい月の道…

ラインマーカーズ56・57

冬の窓曇りやすくて食べかけの林檎ウサギはその胸の上 心情描写などが特になく、風景のみが描かれている。寒げな『冬』の様子と『食べかけの林檎ウサギ』から、風邪で寝ていて『林檎ウサギ』を作ってもらったところだろうか。 筋(きん)傷むまでくちづけるふ…

ラインマーカーズ54・55

まぶしいと云ってめざめる者の目を掌で覆うとき始まる今日よ 目覚めのシーンでの絡みはカップルぽさがある。前歌のような不気味さはなく、『まぶしい』『始まる今日よ』など、明るさや初々しさを感じさせる歌。 惑星別重力一覧眺めつつ「このごろあなたのゆ…

ラインマーカーズ52・53

きがくるうまえにからだをつかってね かよっていたよあてねふらんせ アテネ・フランセは学校法人の固有名詞。 不気味さのある短歌。すでに気がくるっているように見えるが、ますます悪くなると予感しているのだろう。アテネ・フランセが学校であるとも知らな…

ラインマーカーズ50・51

くだもの屋のあかりのなかに呆然と見開かれたる瞳を想う 『ウエディングドレス屋』の歌と対比関係にある気がする。『あかり』や『瞳』はそれを持たない『ヘレン・ケラー』に対応しているのではないだろうか。『くだもの』は嗜好性がやや強いかもしれないが、…

ラインマーカーズ48・49

ウエディングドレス屋のショーウインドウにヘレン・ケラーの無数の指紋 ウエディングドレス屋という微妙に限定的なものから始まり、『ヘレン・ケラー』という固有名詞。ヘレン・ケラーは障害を持ちながらも障碍者の福祉、教育のために尽力した著名人として有…

ラインマーカーズ46・47

書きかけのゼブラゾーンに立ち止り笑顔のような表情をする ゼブラゾーンは車道の立ち入り禁止区域のこと。明るそうだが、『笑顔のような表情』という含みのある言い方をしているのが気にかかる。彼、彼女は嘘吐きな性格で、疑われているのだろうか。 「なん…

ラインマーカーズ44・45

レインコートをボートに敷けば降りそそぐ星座同士の戦(いくさ)の光 星座を『戦』の最中に見立てているが、レインコートを敷いたボートからそれを眺める様子はのんびりとしたもので、他人事という思いがわかる。『降りそそぐ』からあとは結構強みのある語が並…

ラインマーカーズ42・43

鈴なりの黒人消防士がわめく梯子車に肖(に)た婚約指輪 鈴なりは人が一か所に集まっていることを指す。 『梯子車に肖た婚約指輪』が不明、それと『黒人消防士』のわめきとの関連も不明、自分には解釈不明。黒人消防士は『鈴なり』から集団であるらしいと思わ…

ラインマーカーズ40・41

蛸足配線 透き通る受話器の中のカラフルな配線を見る勃起しながら 『勃起しながら』が印象に残り、この理由を考えていくことがこの短歌の受け取り方として大きい。①電話の内容②物の中身がすきとおって見えていると興奮する③生理現象としての興奮に基づかない…

ラインマーカーズ38・39

心臓をかけてもいいよ誰だって浮き輪になんか立てっこないさ 会話体の表現が多く、内容のくだらなさも一層会話らしいという感じを引き立てている。『心臓』は前に何回か出ていた。 愚か者・オブ・ザ・イヤーに輝いた俺の帽子が飛ばされて 海へ 帽子が海に飛…

ラインマーカーズ38・39

信じないことを学んだうすのろが自転車洗う夜の噴水 噴水は普通、物を洗う場所ではないので、彼にとって何か重要な場所であるのかもしれない。『うすのろ』とかなり厳しく非難している。 海の光に船が解けると喜んでよだれまみれのグレイハウンド 『グレイハ…

シンジケート感想36・37

胸に掌の形の汗をブラインドに切り刻まれた光の中で 汗を拭いているということは緊迫していた状況がひと段落したという場面なのだろうか。『光の中で』は詩的表現としてありふれているともいえるが、その前の『ブラインドに切り刻まれた』が個性的。『光の中…