巣/人生の意味/植毛

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2015-01-01から1年間の記事一覧

手紙魔まみ97・98

時間望遠鏡を覗けば抱き合って眼をとじているふたりがみえる 『時間望遠鏡』という謎の道具が登場し、それを核にして話が進む。時間的なもの、昔又は未来を覗く望遠鏡であると考えられる。『時間望遠鏡を』までで十音、『覗けば』は四音だが、三句目からは定…

手紙魔まみ95・96

それ以上何かになること禁じられてる、縫いぐるみショーとは違う 演劇、ショーは台本の通り演じることが求められるが、それとは「何か」が『違う』と述べている。おそらくその「何か」は人生それ自体のことである。人生はみな舞台という偉人の言葉もある通り…

手紙魔まみ感想93・94

知んないよ昼の世界のことなんか、ウサギの寿命の話はやめて! もうずいぶんながいあいだ生きてるの、ばかにしないでくれます。ぷん 2つに似ている部分があるので共通点とそれぞれを書く方式にしてみる。 「口語、生死、知、拒否」という点が共通している。…

手紙魔まみ感想91・92

完璧な心の平和、ドライアイスに指をつけても平気だったよ 三句目が『ドライアイスに』が七音で異形と考えることが最もスムーズな解釈だろう。ドライアイス、固形二酸化炭素はアイスクリームを購入したときに、一時的な保存のために付属するなどで手に入る。…

手紙魔まみ感想89・90

1、2、3、∞(たくさん)はアフリカって(悪口ね)、まみはアフリカ、なにもいらない 『∞(たくさん)』が『アフリカ』という悪口であり、自分もそれであるという。アフリカは広範な地域にわたるが、後進国という印象が受けられる場所である。『たくさん』…

手紙魔まみ感想87・88

手紙魔まみ、完璧な心の平和 見たこともない光沢の服を着た人間たちが溺れる夜だ 『見たこともない』は当然『光沢』にかかるわけだが、『人間たち』にもかかるように錯覚する。『光沢』は光方の表現であって、『見』る以外に知覚されるはずがないので、人間…

手紙魔まみ感想85・86

アイ・ラヴ・エジソン、アイ・ラヴ・エジソン、川沿いの径(みち)を小さな水車抱えて 前半部は大きく乱れているが、後半部は五七七で読める。 エジソンは偉大な発明王であって、電気をはじめとしていろいろやっている。現代人にとってとても大切な偉人であっ…

手紙魔まみ感想83・84

ティーバッグ破れていたわ、きらきらと、みんながまみをおいてってしまう ティーバッグが破れ、中身が流れ出してきらきらと輝いている、新しくお茶を入れなおしている間、自分は会話に入れず、取り残されていくのではないか、という不安を感じている。 ティ…

手紙魔まみ感想81・82

真夜中のなっとう巻きは太るってゆゆが囁く、震える声で 『なっとう』がひらがなで『囁く』『震える』が漢字であることは、会話文と地の分の差だと思われる。会話文と地の分の区切りが『って』であり、視覚的に目立つ読点にそのような役割はない。 倒置法、…

手紙魔まみ感想79・80

昭和基地の床に散らばるトランプのキング、クイーン、その付け睫毛 昭和基地は北極の調査基地である。娯楽が少なそうでトランプをやってそうという想像は特に突飛なものでもない。キングやクイーンもいるだろうしあの絵柄は確かにつけまつげだと推測出来る。…

手紙魔まみ感想77・78

兎の眼を通じてまみのSEXが宇宙に実況中継される 『兎』は何かをする対象、奉仕相手のようなものだった。兎自体の意思などは少なかった。ここでも兎は物扱いであって、それ自体の意識は認められていないことは同様である。兎が見ているではなく、それを通…

手紙魔まみ感想75・76

ライヴっていうのは「ゆめじゃないよ」ってゆう夢を見る場所なんですね 現代における、あらゆる創作活動やパフォーマンスは、その場しのぎの過剰快楽注入装置へと堕落していることを表現している。『ライヴ』の観客とパフォーマー、両者が『夢を見る』ための…

手紙魔まみ感想73・74

このばかのかわりにあたしがあやまりますって叫んだ森の動物会議 三句目が『あやまりますって』と促音を除いて七音と長い。そこまでは平仮名で会話文。 『動物会議』会話文、つまり人語として『森の動物会議』の状況設定の中で『ばかのかわり』に、『叫んだ…

手紙魔まみ感想71・72

ヒ・ケ・ン・シャ・ニ・ナ・リ・タ・イ、手足こめかみに電極つけて、ツリーみたいに カタカナ、中点によってリズムの否定を試みている。それを無視すると『被験者になりたい』であり、音の違和感はなく、意味も普通に通る。 人ではない何かの身分を外部から…

手紙魔まみ感想69・70

眼ってのは外に出てきた脳なんですってね。感心しました、脳か。 突飛な説を当然のことのように述べているというか、突飛であることに驚きつつも、素直に受け入れているところに違和感がある。口語調や句読点が当然に了解する心情をあらわし、内容とそれを受…

手紙魔まみ感想67・68

美容師の森ひまわりを花に譬えると、ひまわり(譬えてねーよ) 『森ひまわり』氏が普通に実在の美容師だった。 本当に何も内容がないといえる。に二重になっている部分がほとんどである。『森』と『ひまわり』の時点で自然が被っているのだが、『花』二度目…

手紙魔まみ感想65・66

ドアの前で眼が合ったときこの部屋に入りたそうにしてたゴキブリ 『ゴキブリ』への心情移入が中心になっている。害虫として以上におそれられ、憎まれる対象だ。死や事故が遠くのものとなりつつ現代における、身近な恐怖の一つといえるだろう。 それに対して…

手紙魔まみ感想63・64

欲しいのはふつうの奴さ、目がガラス玉で、しっぽを口にくわえる 二句目までが主張、三句目からは『欲しいの』を具体的に述べている。動物型のおもちゃのようなものを挙げているように見える。『奴』という人または動物のような書き方からミスリードに誘われ…

手紙魔まみ感想61・62

まみの髪、金髪なのは、みとめます。ウサギ抱いてるのは、みとめます。 服装をチェックしているような言い方。上の句と下の句に分かれているが、『のは、みとめます。』という定型に沿うようにも配慮されている。上の句では定型が完全にかみ合っているが、下…

あらゆる近況報告について

小説を作成し、comicoチャレンジに投げ込みました。ちょうどコンテストの最中だったし、できたてでなろうより競争率低そうだし傾向の固定化も起こってないし、という感じですね。日曜日に続けたい。「精神になって意味を旅する」です。 1h4dで土曜日に四…

手紙魔まみ59・60

手紙魔まみ、アイ・ラヴ・エジソン まみの白い机は夢にあらわれて「可能性」と名乗った。アイム、ポシビリティ 区切れはひどく、字余りが大量にあり、『夢』と最初から表明されているせいでどんなに変でも仕方がないと言い訳したような奇形である。『夢』と…

手紙魔まみ感想57・58

ストラップに鎌倉彫のウサギあり こいつはまるでおかきのようだ 『こいつはまるで~のようだ』から刑事ドラマのセリフが想像された。熟練の刑事が言ってそうであるという気がしたのである。前歌の『指名手配の』が影響していることもあるだろうが、そうでな…

手紙魔まみ感想55・56

残酷に恋が終わって、世界ではつけまつげの需要がまたひとつ 『恋』という個人でありながら重大なものの終わりを強調するために『残酷な』という強力な形容詞による補強と『世界では』という問題を拡張が使われている。『つけまつげ』は装飾品であり、購入し…

手紙魔まみ感想53・54

左から、宇宙スカート、プリンスカート、色盲検査スカート、まみ作 スカートが並べられているという描写は、前回から続くデパートの風景を思わせる。宇宙は前回の最終的に『月』に向かったことと関連する。『プリン』は食という貨幣交換で満たしやすい欲望と…

手紙魔まみ感想51・52

清潔なベッドの上でコンビーフの巻取り鍵を回してあげる コンビーフは肉を高温高圧で処理した缶詰で、巻取り鍵はコンビーフのあけ口として伝統的に使用されている、ということらしい。大体わかってはいたが実際見たことはない。世代差なのだろうか。 コンビ…

手紙魔まみ感想49・50

幸福な王子の肩に従順なツカイパシリの鳥がいたこと 『幸福な王子』はオスカーワイルドによる教訓小説だが、機械仕掛けの神でいきなり彼岸においての価値が示されることにシュールな面白味を感じる。元々金の像と鳥が会話している時点でかなりメルヘンで、そ…

手紙魔まみ47・48

帽子たち、まみを守ってください。と深爪姫の星夜の祈り 句点、読点があるが、それなりに落ち着いている。前歌では句読点自体が注目されるほど異様に目立っていた。ここでは小説中の文章の程度で、目立つほどではない。下の短歌では三句目でいったん文が終わ…

手紙魔まみ感想45・46

発熱の夜のゆめから溢れ出す駅長さんの飼う熱帯魚(ステーションマスターズ・グッピィ) 『ゆめ』と歌中にあるように、幻想系統の短歌である。高熱でうなされることで夢の現実感が増し、現実に映し出されようという様子。『駅長さんの飼う熱帯魚』も『ステーシ…

手紙魔まみ感想43・44

ローズヒップを「ばらのおしり」とおもってた 兎が囓ってしまったおしり ローズヒップはバラの果実。茶に使ったり食用油にしたりジャムにしたり。「ヒップ」が「バラの果実」を意味し、尻のことは関係ないとウィキにある。 『アサツキ』などでもそうだが、単…

手紙魔まみ感想41・42

いもうとをやめてあなたのともだちになるわって頬はさんでくれる 『いもうと』という立場は偶然の産まれのままに自然と属性としてつけられるもので、そういった意味で自分たちの意思によって結ばれる関係の『ともだち』より下位にあるように思われる。『とも…