巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ感想195・196

神様、いま、パチンて、まみを終わらせて(ウサギの黒目に映っています)

 

 パチンは瞬きのことも含んでいるのかもしれない。『(会話文)(神様、まみを、終わらせて)パチン』という下の句に統一された歌がこの後4つ続く。繰り返しで迫力が出るという技法の総決算かという勢いがある。単純で、異常に簡単でも難しくもない語で、かつはっきりと死を願う様子が繰り返される。

 その前置きの意味があり、オリジナルとしての力が存在する。対比要素として地の文の描写のように客観的に風景を表した下の句が置かれている。『終わらせて』の願いは徹底的に主観要素であり、視点を集中させすぎない様にしているのだろう。このような視点のことを『神の視点』と言うこともかけられているのかも。

 

「視点」「気持ち」

 

 

「思った通りだ。すごくよく似合う」(神様、まみを、終わらせて)パチン

 

 会話文は、『まみ』を眺めての感想のように思える。服でも着せてやって、親が納得しているのだろう。まみに関することだが、まみに向けられた言葉ではないという歪さの引っ掛かりがあって、死にたみとダブりが発生しているのではないかと思う。嫌な記憶のフラッシュバック、繰り返しのことである。

 ペットと子供の類似が暗示されている気もするが、後のこのシリーズの短歌が引っ張っているのかもしれない。続く。

 

「記憶」「他者」