シンジケート感想94・95
船の名を読むために銅貨落とし込む鳩の糞まみれの双眼鏡ピノキュラー
『銅貨落とし込む』は観光地にある有料の双眼鏡に金を入れることを指しているのだろう。外に置いてあるので、『鳩の糞まみれ』ということも十分にあるが、それでも見たいものがあるなら使おうという気持ちになる場合もある。それは、『船の名を読むため』らしい。な
なぜそこまで船の名を読みたいのか。知り合いが乗っているのだろうか。
信じないことを誓って星は朝ねむる葡萄の肉色の空
一句目と二句目の間、三句目と四句目の間が単語としては切れるが意味としてのつながりが大きく、リズムが独特というか、一瞬意外性を感じる、という感じがある。『信じないことを誓』い、『朝ねむる』と行動をしているのは『星』。朝の空の色を『葡萄の肉色』と表現している。朝の空の色は、緑色、紫色、青色、赤色が混ざっているような色で、明確に言いづらいもので、具体例を挙げられるとなんとなく説得されてしまう。果肉と言わず『肉色』と言うことも独特。
何を『信じない』のかという点が疑問。『朝ねむる』から夜に何か出来事があって、それで何かを信じていたためにダメージを受けて、今後はダメージを受けないように『信じない』という誓いを立てているのでは。異性に騙された?