巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想120・121

指さしてごらん、なんでも教えるよ、それは冷ぞう庫つめたい箱

 

 一、二句目で句点と句の切れ目がずれ、リズムに引っかかりができる。四句、五句目でも「庫」が微妙な位置に来ることで、優しく話しかける口調で物を説明している。相手は出会ったばかりの子供だろうか。『ぞう』がひらがななのも子供に向けている感を出している。

 「優しい」「教える」「子供」「リズム」

 

 

瓦斯タンクにのぼってみたい、と囁かれ、ぼくらはこんなにも、風のなか

 

 瓦斯はガスと読む。句点が前歌にもましてバラバラで、音数が収まっているのも同じ。『のぼって』『ぼくら』『なか』とひらがなが多いが『瓦斯』『囁かれ』と言った難しい部分に感じがあてられているのも入れ違いの複雑味になる。『囁かれ』の直後に『風のなか』で時間も飛んだように見えたが、「聞いた瞬間、風景が違って見えた」と取った方がいいようにも思える。直感も大事なので一応書いておいた。

 『ぼくら』から対等な関係が感じられ、青春風に見える。ひらがな、話し言葉によるやわらかさ、優しさも前歌と共通した特徴である。

 「優しさ」「青春」「見え方」「リズム」