巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想150・151

みずたまりに波紋拡げて溺れてるミクロサイズのイエス・キリスト

 

 主体が水たまりの波紋に気が付き、その発生源は溺れてもがくイエス・キリストであるという説を唱えている、という内容。「水」「イエス・キリスト」というと、湖を歩いた奇跡が思い起こされるが、ここでは水たまりに溺れる存在とされて、その力を失い、みっともなくあがく存在とされている。『ミクロサイズ』とあり、前までの「蟻」と比べると、さらに確認したり、証明したりすることは困難であり、逆に否定しきることも困難である。その死と犠牲を、神の愛と位置付けられた偉人のみっともない姿を空想し、貶める内容。

 「イエス・キリストの貶め」「水たまり」

 

腕時計にとまった蝶よ 恋人がNASAの花壇でおしっこをする

 

 『恋人』はこれまでの繋がりから考えると女性であり(恋人の髪の歌や、主体の一人称が俺など)野外での小便の異常性は相当なはずであるが、ここでは『蝶よ』と「よ」で呼びかけるほどに、蝶への注目性が高い。腕時計に蝶が止まるということも異常な出来事ではあるが、それでも恋人には及ばないと考えることが妥当ではないだろうか。『NASAの花壇』もそれなりに実在は疑わしい。

 初句が六音で始まることが付近の歌で共通している。

 「注目」「奇妙な事態」