巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想148・149

アンデルセンの焼きたてフランスパン背負ってNASAのセキュリティを突破せよ

 

 NASAか海か、どちらを目的にしていたのか、それらは両立しているのか。いい加減なままに進行していた。前首では『海へ10キロ』だったがこの歌ではNASAに着いている。しかも、そこへ近づく過程や玄関といったものを省き、建物内に勢いよく不法侵入する様子、異常な行動力による実力行使である。また、短歌としての音のずれも起きている。その音の乱れが起きる要因となっているのが、話の筋状は必要性、関係性が異常に薄いものである。そこではなく、数首前の「頭にフルーツパフェを乗せた少女」が類似するものとして想起される。彼女は唐突でその場にそぐわない存在だったが、ここでは主体がその役目を引き受けさせられる。そこに至った過程や動機を詳細に描くことなく、極端な行動を引き受けさせられているのだ。

 「勢い」「実力行使」

 

 

 

お誕生会にブーツで乗り込んでお誕生日じゃないのに、ふぅぅぅっ

 

 前の「お誕生日会」の歌の続き物である。実力行使によってお誕生会を中断しているが、自分の無力さを嘆いていた前歌は少なくとも一か月以上の前のはずで、矛盾が発生している。また、一句目、五句目あたりの音の乱れから虚構性を感じる。

 「実力行使」「矛盾」「誕生日会」