巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想134・135

Happy Birthday dear Mark & Izumiって歌うのかNASAのお誕生日会

 

 『Happy~Izumi』までの部分は本では横書きを縦に並べた形になっている。短歌が本では縦書きで、このブログでは横書きになっていることが影響している。本来の作品の方が視覚的に印象が強く、並びがほかの部分と統一性のある『NASA』との違いがより際立つといった効果もある。

 誕生日にもNASAへ仕事に行ったことに嫉妬している。英語と外国人名『Mark』がNASAでの国際性のあるコミュニティを強調しており、そういった魅力のない己への自虐でもある。実際には『お誕生日会』などは行われていないだろうが、そうした妄想へ怒りをぶつけるような気持にあるということがこの歌の特徴である。『って』という投げやりな接続詞で日本語へ戻る点が妄想からの回帰風。英語部分は外国語と音節のあいまいさが妄想風に見せる。

 怒りがかなり大きく、「誕生日なんて祝わなくていい」と言われてしまったのかもしれない。

「妄想」「怒り」「異国」「疎外感」

 

 

 

 

 

ひとりでみてしまうひとりでみてしまうひとりでデジタル時計のぞろ目

 

 恋人が帰るのを待っているのだろうか。恋人との関係にも悩んでいるという点もあるのだろう。募るむなしさが反復で強調されていて、唐突に打ち切られる反復で現実感が現れる。『デジタル時計』は現代的な道具でありながら古くから同様のものが存在していた時計であり、時間的な対比を作り出す。恋人との関係への不安が主題であり、多くの人が悩んだ課題について、今ここにいる自分もまた悩んでいるということを感じている。

『ひとりで』が孤独感を強調し、『みてしまう』から不安げな気持ちが直接的でなく、曖昧な口語風に表現されている。三+二+二の語によって五七五三ときれいにできている。

ぞろ目も反復的な意味合いを示す。反復は時の流れを強調するもので、悩むという行為を人類が反復していることと、だからと言って自分を含む一人一人の悩みに影響するようなことでもない事が、この歌のテーマ。

「反復」「悩み」「不安」「時間」