ラインマーカーズ感想74・75
ねだられて人魚に渡す襟章はとどろくはるの潮騒のなか
襟章は襟に付ける勲章。
『人魚』が登場している。これまでの話し言葉の中と違って実際に生きた形で、人物の一人として当たり前のように現れている。前半で襟章をねだる様子、後半部ではそれとともに瞬く間に『潮騒のなか』に消えていく。明るく、唐突で留まらない人魚のキャラクターが見える。
子供の話にのみ出て、死んだとされていた人魚と再会して喜びを感じさせる効果?作中で『襟章』を渡している人物は頻繁に人魚とあっていそうだが。
「明るい」「馴れ馴れしい」「唐突」「再開」
文字盤に輝く
WATER RESISTANT SHOCK RESISTANT LOVE RESISTANT
『RESISTANT』は抵抗するの意で『WATER RESISTANT』は水をはじくこと、『SHOCK RESISTANT』は耐衝撃。『LOVE RESISTANT』は造語だろう。
そういった文字盤を想定すること自体が空想的な内容。英語表記がほとんどという短歌は少なく、読みにくくなり戸惑う。『LOVE RESISTANT』という語を作って並べること自体が目的だったのだろうか。字にして並べることで、感情を客観化しようという試み。
「謎」「並び」「RESISTANT」「愛」