ラインマーカーズ44・45
レインコートをボートに敷けば降りそそぐ星座同士の戦(いくさ)の光
星座を『戦』の最中に見立てているが、レインコートを敷いたボートからそれを眺める様子はのんびりとしたもので、他人事という思いがわかる。『降りそそぐ』からあとは結構強みのある語が並んでいるが、やはり前の部分のゆったりした漢字を打ち消すほどでもなく、主体に気持ちが行かされる。『星座』が生きているとは思えるはずもなく。これが宇宙戦争や、テレビのニュースでも変わることはないだろう。
逢いたいの今すぐ来てという声をかこむ熱帯の果実を想う
電話でそういうことを言われつつも、当の本人よりもその周りの風景のことを気にかけている、という図。平時からのふるまいから、信用の置けない人物なのかもしれない。