巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ感想31・32

巻き上げよ、この素晴らしきスパゲティ(キャバクラ譲の休日風)を

 

キャバクラ嬢』とあるが『まみ』自体に、挿絵などの情報から女性としての自身の性の解放感というか、重要だと感じていないのでは、という雰囲気がある。裸で乳首が隠されていない絵であり、またそのポルノ的な意味での価値をあおる形でもなく淡々とした表現だと思う。

 娼婦風パスタについても意識されているのだろう。また、『巻き上げろ』は前々歌の『渦巻きを描き』と似た動きと意識される。

 『キャバクラ嬢の休日風』と言っているが、実際に『まみ』(作中主体)はキャバクラ嬢であり、これはキャバクラ嬢が休日に作ったパスタであって『風』の部分は自虐的嘘、だと考える。括弧をの使用は補足、本題からの逸脱のように装いつつ実際には強調したい部分、メインテーマなのである。『素晴らしきスパゲティ』ではなく、本当に注目、評価されたい部分は『キャバクラ嬢』という自分の身分であって、自信が貧弱なために『よ』『素晴らしき』という尊大な表現、体言止めなどで補おうとされている。

「誇張」「自虐」「強調」

 

 

海の生き物って考えてることがわかんないのが多い、蛸ほか

 

 音と意味の切れ目のずれがあり、口語調と合わせて散漫な思考の表現にもなっている。「他人、またはほかの生き物が考えている」内容を考えるという二重の行為であり、真剣味、具体性といったことが全く伴いようのない空想で、取り留めのなさ、頼るところの無さが音の逸脱に表れる。

 『海の生き物』は理解しがたい他人の暗喩でもあり、自分と違う生き方、価値観から別の場所に住む物のように例えようとし、『蛸ほか』といい加減に括る。タコは悪口としての馴染み深さがあるのかもしれないし、漢字で魚偏以外で一字かつ親しみがある、といった点が理由かもしれない」

「散漫」「考え」