巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想110・111

バットマン交通事故死同乗者ロビン永久記憶喪失

 

 ロビンはアメリカンコミック『バットマン』の主役であるバットマンの相棒。

 アメリカンコミックの主要キャラクターの部分がカタカナ、出来事部分が漢字という構成。重要な情報を短くインパクトをもって伝えるという新聞の見出しのような手法である。

それでいて完全に短歌の音に一致している。定型的予定調和とビッグニュースが混じりあった歌になる。

ヒーローがそのような失敗をするという方向からも考えさせられもする。

 「調和」「死」「ニュース」「失敗」

 

 

 

夏空の飛び込み台に立つ人の膝には永遠(えいえん)のカサブタありき

 

 『人』の作中主体との関係性について考える。『飛び込み台』からプールにいるようだと想像でき、だからこそ『膝』のカサブタが目に入ったのだろう。『永遠』ということから以前からカサブタのことを知っていて、また今も目に入った、ということを推測した。しかし、プール以外では見ないような関係ということ。ここから恋人ではなく、友人や子供だと想像した。元気がよくていつでもつけているというと子供のようだが、それだともっとわかりやすい語を選ぶように思うので、子供っぽさのある友人?

 あまりそのことは感想には関係なく、夏のプールに相応しい爽やかさがあるなっていう感想以上のものは見つからない気もする。カサブタは人体の一部で、人体が滅するものである以上、『永遠のカサブタ』は絶対的にありえない存在、それゆえに詩的輝きを持った語ではある。本来は治癒という死を防ごうとする体の自然現象で、傷ついた陰部でもある瘡蓋を輝かしいものにしようとする歌。

 

 「爽やか」「永遠」

 

 

 「永遠のふりがなで、字に上から重なっている様子がかさぶたに似ている」ということを作者が言っていたが、このブログでは表示形式の方法がよくわからなかったのでかっこで反映されている。以前のものもかっこでフリガナを表示しているものは大体そうだと思う。