巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ34・35

夕映えの砂場に埋めた最愛の僕のロボットの両腕はドリル

 

 ロボットを埋めることは『僕』にとって別れのイメージ。『夕映え』と言った背景もそのイメージに重なる。『両腕はドリル』でも玩具のロボットなので、穴を掘ることができないということにおかしみがあり、いくら『最愛』でも所詮は玩具であるという悲しみを感じさせる点になっている。

 『砂場に埋めた』から次に砂場で遊ぶ子供に見つかって、持っていかれてしまうことが予想される。それを見越して『僕』はこの行動に出たのだろう。すでに相応の年齢でありながら玩具、幼稚さと決別できていなかったが、『最愛の僕のロボット』をどこかの子供に託すことで、成長しようと試みている。

 

 

飛ばされて帽子は海へ 今朝はもうお前の心など見たくない

 

 帽子は『お前』からもらったものなのだろうか。それを追ってしまうと『お前』のことを思い出してしまいそうなので、海に飛んでいった帽子のことまでも無視しようとしている。