シンジケート感想195・196
金色のコーンの山を胸の前に捧げて戻るサラダバーより
『「こ」んじき』『「コ」-ン』、『「さ」さげて』『「サ」ラダバー』と言った韻を踏んだ構成がある。
『金色』『山』『捧げて』という言い方はやたらに仰々しく、サラダバーからコーンをとってきたというだけのことを、かなり大げさに表現している。さえない日常の中の気取りたい、特別になりたいという思いが現出したのだろうか。韻を踏んでいるのも何かの焦りのような感じがある。『コーン』『サラダバー』と言った実態が後から明かされるというのもそう。『胸の前』を中心に対象にしたような形になっていて、中心に自分の体があるというのも。
エイプリルフールには許されるものありき セロリで組み立てし馬
『エイプリルフール』という春の行事。空白が半端な位置にあるが、それを無視すると定型ではある。
『セロリ』は前にも何かあった気がするが、そこでも食材とは少し違った何かをしていた。『馬』に組み立てられるのも違和感がある。役目、立ち位置がつかめないセロリ。春。