シンジケート感想105・106
春を病み笛で呼び出す金色のマグマ大使に「葛湯つくって」
マグマ大使は手塚治虫による同名漫画の主人公。金色。マモル少年に笛で呼び出され、敵と戦うロケット人間。葛湯は葛粉を原料とするとろみのある飲み物。温かく、風邪に対して効用がある。
『春を病み』とは春の風邪という以外にも春の新規の人間関係という意味合いもある。『呼び出す』という一方的主従関係にある人物に介抱を依頼する様子から他に当てや信頼関係が築けていないことが連想される。
闇のなかでベープマットを替えながら「心が最初にだめになるから」
ベープマットはコード式の蚊取り器。私自身はなじみがないが、独特なにおいから郷愁感をあおられる人もおり、amazonではそういった人によって高評価が付けられている。ネット以外では本体を手に入れづらいらしい。
『「心が最初にだめになるから」』がカギかっこに入れられている、つまり発言したということだが『闇のなか』での日常的な作業中の言葉であり、誰かと相談しているといった様子ではない。自分に言い聞かせるようなつぶやきに見える。まだ『だめ』になっていない自分は大丈夫だ、と言い聞かせているように見える。