巣/人生の意味/植毛

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シンジケート感想103・104

ながいこわい夢を洗い流してくれO₂ケアより優しい声で

 

 O₂ケアはコンタクトレンズの洗浄液。読みはオーツーだろう。

 六・六・六・八・七。流すという内容に反して読み流しずらく、じわじわと残る。音の切れ目のない冗長な調子は『ながいこわい』につながる。

 『優しい声』を例えようとするときに、商業商品である『O₂ケア』が真っ先に挙げられる様子は、商品に囲まれて生きる現代人らしさがある。

 

自分だと音に合わせて『悪夢』にしてしまいそうだが、『夢』のリズムの乱れが良さだし、全く改悪になってしまう。一句目も『おそろしい』などにしてしまうかもしれない。注意。

 

 

「さかさまに電池を入れられた玩具おもちゃの汽車みたいにおとなしいのね」

 

 五・九・四・六・七。二句目が長く、三句目ですぼむ。カギかっこを使うときは女言葉であることが多い気がする。

 電池をぬいた、電池が切れた、などではなく、『さかさまに電池を入れられた』というのが気になった。何もしていないとか、燃料が切れたからではなく、間違った行動のために『おとなしい』という状態になった。男作者による女言葉でカギつきの作品、ということから男女の喧嘩になっているのでは、という想像。『玩具の汽車』というくだらない子供の遊び道具への例えも怒りを伴って感じられる。