手紙魔まみ感想221・222
ドラキュラには花嫁が必要だから、それは私にちがいないから
『私』の重要視ということが見られるが、ドラキュラの存在という前提の前提が架空ということで断定が拠り所のないものになっている、という歌。上の句は定型から曖昧に逸脱していて、架空性に上乗せになる。
「架空」「自己重要視」
わからない比べられないでもたぶんすごく寒くて死ぬひとみたい
わからなかったり比べられないことを散々前までやっていたのでは、ということに今一度立ち戻り、正直に白状し、『でもたぶん』という曖昧であるゆえに正直な前置きの後に実際には見たこともやったこともない『すごく寒くて死ぬ人』という直喩。直喩も比喩であることを隠そうとしないという意味で正直と言える表現かもしれない。
「正直」