手紙魔まみ感想203・204
タンバリンの鈴なり響く(いつか、長い長い旅をどうですか、まみ?)
前歌で飾りだったタンバリンの鈴が本体として目立ち、残りは(あなたの心に直接語り掛けています……)的な会話文。おそらくペットだったウサギ。
旅は人生やら困難やらの象徴としてであり、道連れになってお互い頑張ろうとか、今は離れたけどいつかまた近くでやっていこうとかの呼びかけ、慰めの内容である。丁寧語で語り掛けてくるウサギは自由で乱雑な言葉遣いだったまみと対比されて、あいつはしっかりしとったんやなという意外性を残す。
「旅」「各自やっていく」
六号室を出てゆく朝に一枚の地図が輝く南の壁に
住居の変更ということで、旅というのは大袈裟だとしても、定住と対になる行動ではある。『地図』というのも旅のための道具であり、それを使っておきつつも残して出ていくというところに挑戦めいた雰囲気が現れる。『輝く』や接続詞『に』の重複も勇ましさのあらわれでやっていくという意思の高まりを感じさせる。
「挑戦」