ラインマーカーズ感想124・125
冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音
ささいな音にフォーカスすることで静寂を強調する手法。読書も静けさを前提とした行為である。二人の気づかいのいらない関係が見える。意識しつつも思考の中心に置かれることはなく、『冷蔵庫』の音と同じくらいただ自然にそこにあるだけのものとしてとらえようとしている。
「静けさ」「なじみ」
獣園の檻を握ってきた指が泡立てている真夜中の髪
昼は動物園に行っていて、檻を握るほど熱心に見ていた人が、髪を洗っているという様子。風呂は性的な場面として設定されていて、『髪』と女性であることが強調されている。彼女の色々な面を見つつ、ほほえましく思っているというところか。
「昼と夜」「二面性」「性」