シンジケート感想56・57
春雷よ 「自分で脱ぐ」とふりかぶるシャツの内なる腕の十字
春雷は春の雷、寒冷前線の通過に伴うことが多い。ふりかぶるは手に持ったものを頭の上に勢いよく振り上げること、剣を持った漫画のキャラクター、野球のピッチャーなど。
『内なる腕の十字』は腕をあげると袖がずり落ち、腕の十字が見えた、ということか。服で隠れている部分が見える、というのはやや特別な体験だが、いまから『「自分で脱ぐ」』といったところであるから希少性は落ちる。
『春雷』、というか、それに伴う雨によって服がぬれたところなのだろう、それで服を脱ごう、自分でやれる、というシーン。
『「自分で脱ぐ」』と言っているのがどんな人か、腕に十字をつけている人、タトゥーなのか、傷痕なのか、恋人?
ウーン
酢になったテーブルワイン飲み干せば確信犯の眼差し宿る
ワインの味が落ちて酸っぱくなることを「酢になる」というらしい。時間を置きすぎたために起きるようだ。
『確信犯の眼差し』とは、『ワイン』を『酢』にしてしまったことについて言っていることか。眼差し、少し前の短歌では平仮名だったのにここでは漢字、『確信犯』『宿る』にはさまれているからか。あ