巣/人生の意味/植毛

短歌について/その他サブカル色々/男、専門学校生徒、誕生年1994/うたのわで利己翔/ツイッター https://twitter.com/kakeruuriko?lang=ja

奇跡の再現

これはカナダ西海岸に打ち付けた波が描く楽譜

あるいはあるアンモナイトが左巻になった理由

長いローブを羽織った教授が

終末幻視論の授業を終えて

救世自殺論の準備を始める

学生はとても惨めで何をするにも一人きりだった

指と指で交差を作り少しだけの記録を編み上げる

先ほど生まれた子鹿は走るのが下手で

狼はいともたやすく彼女に追いついた

彼は感謝も持たないで喉元から肉に食らいつく

生を否定する彼女はその殺害に感謝するあまり

骨も脳も彼へ与えて

彼は違う生き物になる

それで彼は生まれ変える

二本の脚で立った瞬間

彼は言葉を知っていた

誰が貴女を殺したのだ

悲しみから男が湖に己が身を投げると

よく似た顔の男と女が湖から這い出す

彼らは罪を持たなかった

だから彼らは愛し合って

今の世界の形はこの時に決まった

 

きっと三度目は起こらないだろう