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手紙魔まみ感想201・202

真夜中か夜明けかわからない空に薔薇線らしきこのシルエット

 

 薔薇線とは有刺鉄線の別名らしい。

 『この』と言われても唐突でまったく役に立たない代名詞としかわからず、無意味に近い。真夜中の空のシルエットが認識できるというのも変であり、「暗くてトゲトゲしている」を曖昧に醸し出そうとしたものと思える。『わからない』『らしき』『シルエット』と曖昧な表現まみれなことに対して『薔薇線』は身近な言い方ではないが想像通りのものではあるという存在感の物質で、リアリティに対する凹凸をそこでつくる狙いなのかもしれない。漢字の『薔薇』が視覚に印象的な文字であることも気に留まる。

 

「トゲトゲ」「曖昧」

 

 

 

解放せよ、タンバリンを飾る鈴。解放せよ、果たされぬ約束。

 

 上の句、下の句共に六音の『解放せよ』から始まることで、全体として定型からはみ出て煩雑な印象になる。上の句の『タンバリンを飾る鈴』はそれ自体飾りでもあり、『果たされぬ約束』が主題と言えるだろう。自分に呼びかけて、『果たされぬ約束』から自由になれるように奮い立たせているのではないか。力強い命令形はぐらかしたりしないという印象を出し、『煩雑』『曖昧』『詩的』などと反対の確かさを印象付けるための仕掛けとなる。

 

「繰り返し」「命令」