手紙魔まみ174175
誕生日は炎の儀式。いい?いくよ?はーいーかーつーりょおおお、ふううううう
下の句がろうそくの吹き消しと同時に行われて、音が定型から乱れている。勢いよく吹き消すということへこだわりを持って、元気がよくテンションが高い状態でやっているのであろう。クエスチョンマークによる会話体にもそういった落ち着きのなさが見られ、『炎の儀式』という前半の落ち着き用と対比になる。しかし、一句目も無駄に六音で、落ち着いているようで落ち着いていない状態とか、一時も落とすことのできないこだわりとかが垣間見える。
『落ち着き』
掃除機をかけてこんなに汗をかくわたしはきっと風邪だと思う
家事が何となく面倒で、苦しい様子。定型の中に納まっていることで落ち着きが表現され、エネルギーが有り余っていないことがうかがえる。体温が高く、病気気味で息苦しいというのは、前句のテンションの高さとの明確な対比である。自分のことであるのに『きっと』『想う』などとはっきりと表明されないこともエネルギーのなさの一面だろう。『掃除機をかけて』という自分の生活領域の日常的ですらままならないということが、自信のなさを補っている。
『疲れ』