巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ感想141・142

まみの子宮のなまえはスピカ。ひらがなはすぴか。すぴか。すぴか。すぴかよ。

 

 スピカは星の名前で、おとめ座で最も明るい星。

 星の名前についての情報を知らなくとも、悪印象よりは好印象を持つことの方が多いのではないかと思う。曲名などにもそれなりに使われている。短歌中で繰り返される様子は、作中主体が具合を確かめる風である。落ち着ける、安定させる、安心させるという意図で、単純に繰り返しが行われる。

 子宮、星というのは『生理を食べている怪物』の歌との関連を思わせる。あの歌で感じていた不安感を消すように繰り返して安心を得たいのだろう。

 『スピカ』から『ひらがな』の『すぴか』と変換することは幼児退行への願いで、繰り返しという単純な方法によって強調されている。

 

「幼稚」「命名」

 

 

 

 

ぬいぐるみの口のなかには宝石がいっぱい詰まっている夏の朝

 

 『ぬいぐるみ』『宝石』は女児の好む者の組み合わせ。前回までの悪夢的気持ちから覚めるように『朝』で終えることで、夢からの目覚めという形で平和の実現へ向かっている。しかし、『口』にぎっしり石が詰まっているという光景は少し違和感を残し、『いっぱい』というのも身の程を超えた幸福である。これもまた夢の中の光景、悪夢がループするのではという恐怖をあおってもいる。

 

 「ループ」つまり「繰り返し」である。繰り返し事態が繰り返されることによって、何も繰り返していないことが逆に不安をあおる。

「好きなもの」「過剰」te