巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ感想127・128

アーカンサス十字唐草 真空に張り裂けながら歌うカナリア

 アーカンサスはアメリカの州の名前、アーカンソー州の誤読み?
 無意味の並列が前半。『十字』『唐草』は模様または形の名称。
 前半の『讃美歌を絶叫しつつ~』の歌を思い出させる。歌を歌って空を飛ぶ者がいることが共通する他、『十字』と『讃美歌』にキリスト教的イメージの共通がある。『張り裂け』の悲壮的なイメージも宗教的なものを連想させる。
 宗教はそもそも無意味なものを連帯させてイメージを作っていくという要素がある、と思っている。苦痛、試練、人生といったものが無意味ではないということを主張するということが、宗教の目的の一つという考えを私が持っているのだが、宗教の目的などというものを外部から決めつけること自体が問題になる設問でもある。古代の詩といったら宗教なので現代詩に宗教のモチーフが散らばっているのも当然の流れだね。散らばった諸要素を宗教的という一致で結び付けたものが宗教文学といういい方はかなり大雑把で全く正しくはない表現。
 それだけで意味深に見えるのは書き手にとって好都合ではある。

「宗教」「歌」「死」

 


のぞきこむだけで誰もが引き返すまみの心のみずうみのこと

 心理っぽいが、個人的に見えるので宗教的な要素が薄い。まみの心はつらいので『心のみずうみ』も見るだけでダメージを負うような厳しさがあるのだろう。つらさ、それを共有できないという孤独、などなどを語りたいが語る相手がいないという雰囲気の『のこと』という切り方。『のぞきこむ』はひらがな『引き返す』は漢字というのはまみとの距離感が近いところではひらがなを使っているためだろう。『まみ』が一貫してひらがなだからそう思う。

「心」「孤独」