手紙魔まみ感想81・82
真夜中のなっとう巻きは太るってゆゆが囁く、震える声で
『なっとう』がひらがなで『囁く』『震える』が漢字であることは、会話文と地の分の差だと思われる。会話文と地の分の区切りが『って』であり、視覚的に目立つ読点にそのような役割はない。
倒置法、『囁く』『震える』で体重増加の情報を大げさに扱っているところが中心であって、画すべき事柄を大げさにとらえるおかしみが中心なのだろう。
「個人的」
バービーかリカちゃんだろう鍵穴にあたまから突き刺さっているのは
ともに有名な女性型着せ替え人形の類。身体に対して頭が大きめであることは人形として作られたことと自然に対応する事態である。つまり、鍵穴に頭から突き刺すには、首から切り取って、細い首の部分を刺してやるという手順が必要になる。合うはずのない鍵穴におしこまれるという暴力から人形は逃れることが出来ない。
着せ替え人形にとって、頭は交換されない唯一の部分、個性と言えるかもしれず、それが無理やり切り取られ、あるいは隠されても『バービーかリカちゃん』とあやふやながら名前を呼んでもらえる(単に有名な着せ替え人形であるという理由からでも)。私の頭が隠されてしまったら、誰かに呼んでもらえるのか、人形が『バービーかリカちゃん』のどちらでもないのでは、と認識と顔について考えられる。
「頭」「認識」