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巣/人生の意味/植毛

短歌について/その他サブカル色々/男、派遣社員、23/うたのわで斧寺0

手紙魔まみ47・48

帽子たち、まみを守ってください。と深爪姫の星夜の祈り

 

 句点、読点があるが、それなりに落ち着いている。前歌では句読点自体が注目されるほど異様に目立っていた。ここでは小説中の文章の程度で、目立つほどではない。下の短歌では三句目でいったん文が終わるが記号はない、短歌として典型的な形である。この3つは並列させられているとも考えられる。

 上の句が「セリフ」的でそれを下の句でナレーション的に説明するという形式は典型的な短歌ではないかと思う。

 セリフである上の句は自然でわかりやすい『帽子』『守ってください』が使われているのに対して、下の句では『姫』『祈り』といった強いイメージの言葉がある。「強いイメージ」とは曖昧な表現だが、難解であったり堅すぎたりはしないが、弱くはなく身近でもないという感覚のことである。口語という言葉で強調させるほどでもなく、小学生でも知っているような語の意味での普遍性を持ちながら身近ではない、ちょうどいい距離感を目指したともいえるし、小学生感覚での歌という言い方もできる。これらの中で違和感を出しているのは「深爪」で、日常のちょっとしたケガでありながら、小学生でも高学年にならなければ語は知れないかもしれない。「深爪」と句読点がこの歌の個性であるといえる。

「セリフ」「身近」

 

 

 

明け方のゆゆは静かに泣いているアボカド抱いた自称アバズレ

 

 句読点がつけられていたのは『まみ』が強く意識されていたからであって、『ゆゆ』が主題となっているためにここでは外されているのではないかと思う。

 『アボカド』と『アバズレ』で対比させられている。『抱いた』相手に対しての非難の意図があるように感じられるが、『アボカド』の汚点やスラングはよくわからなかったので、『ゆゆ』が特別な意味を込めているのだと推測する。自虐の『アバズレ』に対して語感などから対応させていることもあるとみられる。

 上の句は『静かに』を中心に、その語の通りに落ち着いてありふれた内容になっている。前歌と同じで『まみ』『ゆゆ』といった固有名詞に存在感があることも大きい。平仮名で幼稚な印象を持つ固有名詞は絵に例えると写実的な風景にクレヨンで人物を描くように、目立たされた存在になる。

「自虐」