巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ感想39・40

ホームルーム! ホームルーム! とシマウマの鳴き声がする夜の草原

 

 『草原』と『シマウマ』は見たことのない遠い場所、生き物が想起される。『ホームルーム!』の『鳴き声』はそれとは真逆の身近出会った存在だろう。現在は生徒ではないのでかつてという意味合いが大きく、学校の集団活動に対してどういった心持を持っていたかということで受取の意味合いが変化する。

 作中主体はプラスではなくマイナスのイメージとして集団活動を考えていたのではないか、という気がする。『夜の草原』にまで介入しようとする集団の暴力を嫌悪し、今はそれから離れられていることに安堵している、という内容?『シマウマ』が群れる動物として捉えられているのかもしれない。

『集団』『距離』

 

 

窓ガラス震える夜はまみとゆゆ舌なめずりで会話をするの

 

 『まみとゆゆ』が通じ合っている様子である。天気が悪い日に、独自のルールで通じ合うことで安心感を得ているらしい。人見知りでも姉妹とは嫌でも暮らせて、関係が発達させやすいところがあるのかもしれない。

 『夜』が前歌と共通項であるが「厳しい外」と「通じ合っている内」という対比をやっているこの歌と「ほのぼのとしている野生」のようで「同調を要請する群れ」という構造で、逆転をさせているのかもしれない。野生動物にとっての群れが大まかに家族を示すが、人間の家族は群れではなく関係が繋がる。言葉ではなく『舌なめずり』で交流しようとする姿勢は動物性がある。

「夜」「家族」「人」