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手紙魔まみ感想33・34

つっぷしてまどろむまみの手の甲に蛍光ペンの「早番」ひかる

 

 蛍光ペンでメモ、というとラインマーカーズ最後の連作の一作、『「NASAへ行きます」』の歌があった。寝ている人に急いでいる人がメモをする、という大筋も完全に一致し、二方の対比が主であという主題は共通。

 ともに残される側である点も共通している。寝ていた自分に主眼が置かれ、まの音が反復するなどしつつ長めである、『手の甲』に直で書くといった強調がされている。単なる連絡であって、深刻な分岐点などではないし、「まみ」側も完全にヒモしているわけではないキャバクラ嬢っぽさはある。

「用事」「眠り」「対比」

 

 

 

伊勢エビに名前を問えばナツガタノキアツハイチと応え給えり

 

 この連作の挿絵が「スパゲティに載ったイセエビに驚くまみ」のような絵であり、この短歌との関係が思わされる。『スパゲティ』は三つ前の歌、『海の生き物』である『伊勢エビ』は二つ前の歌を思い出させる。『何考えてるかわからない海の生き物』と会話しようとして名前を聞くと天気予報の一部のような返答が帰ってきた、という風に情報が混ざり合ってわからなくなっていく様子が主題らしい。会話文がカタカナで表されよくわからない相手だという思いを強める。伊勢エビが持つ風格からか、『問えば』『応え給えり』とわざとらしいほどに格式ばった言葉遣い。本来では人間と被捕食者だが、現代人は狩猟の意識を持たず、自然を敬う気持ちを強めたりする。

 『海の生き物』というが、外国を海外と表して海の字が含まれることも意識されている気がする。

「交流の難しさ」「関係性」