巣/人生の意味/植毛

短歌について/その他サブカル色々/男、無職、誕生年1994/うたのわで利己翔/ツイッター https://twitter.com/kakeruuriko?lang=ja

手紙魔まみ感想29・30

手紙魔まみ、天国の天気図

 

 

サムライが天気予報を聞きながら描いた渦巻き、天国は夏

 

 「天国の天気」がテーマのようで、似たものは『ラインマーカーズ』でも見た気がする。『サムライ』を出すことで、天国が死者の行く場所であることを強調する、堅いイメージに対してユーモラスな行動をとらせることでギャップを狙う、といった効果があるのではないか。『天気予報』の知識が曖昧なために『ながら描いた渦巻き』といい加減さがある。

「ユーモア」「天国」「時代」

 

「ウは宇宙船のウ」から静かに顔あげて、まみ、はらぺこあおむし

 

 『はらぺこあおむし』は有名な絵本である。横になって布団にくるまった状態から顔を上げた状態がいもむしのようだ、という意味だろうか。

 『「ウは宇宙船のウ」』も子供の教育のためのような語であり、絵本の布石ともいえるが、『静かに顔』は漢字が普通に使われ、落ち着きのある言葉遣いだが『あげて』をはさんで『まみ、はらぺこあおむしよ』という「一人称が自分の名前」「助詞の省略」「絵本の題名、登場キャラ名を上げて自分をそれだと比喩する」というように、強く幼さを押し出す。

 句の切れ方が曖昧であることが実際と幼さの関連性を曖昧にする。一句目から三句目が漢字交じりで普通であったり、『ウ』について教えようとする教育の視点を持つことに対して四句目から五句目はひらがなのみでいかにも幼い。境界となる三句目と四句目が『顔あげて、』と意味の面では繋がるうえに読点があって紛らわしい。にも関わらず、四句目を単体で取り出すと『あげて、まみ、はら』と三・二・二と見た目ではこぎれいである。(単純に意味をとることはできないのだが、この短歌中ではほかの句は「」の途中で切れる、接続語の途中で切れる、漢字が挟まる、ぺこという片側のみでは完全に無意味というように全く正しく切られないため、こぎれいに見えるように思う。)

 音と意味のナンセンスがリズムを作り、全体では幼さに向かったりしている感じであり、『顔あげて、』と成長を思わせておいて幼児化に向かっているのがポイントなのだろうか。『はらぺこあおむし』がアオムシが食事によって美しい蝶へ成長する話であることも関係している気もする。

「成長」「リズム」