巣/人生の意味/植毛

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手紙魔まみ19・20

本当にウサギが付いたお餅なら毛だらけのはず、おもいませんか?

 

 餅、ウサギの話について語り掛ける口調で読み手に思考を促している。『ウサギが付いた餅』というふれこみの菓子でも持っているのかもしれない。疑問符がついてはいるが、その問い自体には常識的判断によってナンセンスであることを把握している事だろう。そのようなふれこみが誰も信じていないのに振り回されているということへの疑問のようにも思える。『お餅』『思いませんか』という丁寧な言い方からまだそれほどは親しくない相手との、ぎこちなさの残る会話的な雰囲気が出る。

「丁寧」「フィクション」

 

 

金髪のおまえの辞書の「真実」と「チーズフォンデュ」のラインマーカー

 

 『金髪のおまえ』という人物が登場するが、ゆゆでもまみでもない気がする。『おまえ』は前歌の丁寧さからはかけ離れた粗雑さ、あるいは親しみを意味する二人称。『真実』『チーズフォンデュ』に『ラインマーカー』とあり、それらを結び合わせようとすることがこの歌の重要事項といえる。『I・N・U』当たりの母音がなんとなく似ている他の共通項はわからない。個別にみると『真実』は前歌までで長くテーマとなっていた虚構性の逆になるような語。   

チーズフォンデュ』は洋風の料理だが音が長めであったり、外国語特有の聞きなれなさなどから短歌中で存在感のあるものになっている。『金髪』と西洋系の外国風という点の共通項が見つけられる。『辞書』は外国との言語的へだたりを解消するための道具である。外国は身近に届く場所ではないという意味で月と似ていて、昔には『月の国』などと月面に想像を膨らませることもあったが、今でも外国と現地の生活があることは信じられていて、虚構ではない。

「外国」「真実」「虚構」