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短歌について/その他サブカル色々/男、無職、誕生年1994/うたのわで斧寺0

手紙魔まみ感想11・12

妹のゆゆはあの夏まみのなかで法として君臨していたさ

 

 他人とあまり関わりたがらない人間の親しい人というと家族になりますが、その内でも年齢の近い方が親しみやすく、自己肯定感がないことから相手に依存したり、被支配状態になることを望んだりする。年齢差がもろに出ていたころとは逆の関係性になっていくというのが年下の兄弟の場合発生するところに年上とは異なる趣きを醸し出すかもしれない。

 

 「法」「君臨」といった仰々しい語が固有名詞「ゆゆ」「まみ」の柔らかい感じと対比させられる。振り返るときは過去であって大げさに戯画化させられるが、そういった関係性は継続時にはそれほど深刻なものと思えてなかったところに救いのなさがあり、茶化してダメージを軽減しようという意図がある。『あの夏』という曖昧ながらも時間を記して振り返る過去として相対化し、落ち着こうという意図がある。

 

「仰々しい」「過去」「相対化」

 

 

最愛の兎の牙の恐るべき敷金追徴金額はみよ

 

敷金は事前に払っておき、契約通りなら返してもらえる。追徴金は契約不履行で、敷金にさらに上乗せして払うことを要求される性質のもの。らしい。牙は犬歯と門歯の二通りについて「凄そうだと牙」ということらしい。犬歯の場合が多いような気がするが、兎の場合は門歯だろう。前歯のことであり、兎の歯は鼠のように発達して、牙ということもできるだろう。モチーフとして何かと人気らしく検索すると同人サイトが複数でるっぽい。牙の関係から『はみよ』は『食みよ』だろう。

 

 引っ越しに関連する語である。詩的なモチーフとしてだけではなく、現実的な視点を示すために金との関連を持ち出している。厳しい現実から逃避しようとして『最愛の兎の牙』を『恐るべき』ものと持ち上げる。『はみよ』の仰々しい命令で持ち上げようとしているものの本質は自分である。『兎』は現実の存在ではなく妄想の産物で、愛の対象である。もちろん妄想は現実の前に力を持つことはなく、主体は実際には支払いに応じるしかない。

 

 『ウサギ』『引っ越し』はタイトルにもある語である。『ウサギ』が漢字にされているのも強がりのためだろう。

 

「最愛」「妄想」「現実」「引っ越し」「ウサギ」