巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想146・147

 路面には散らばる光 あのなかのひとつで蟻が溺れています

 

 風景描写から二首前の歌を受けての反応。「溺れる蟻」への反応は他人事であり、実際に確認することもなく、そのこと自体が考えに影響しているわけでもない。その反応の様子は、彼自身もまたただ事実を伝えるだけの電光掲示板と同化するかのようである。蟻ではなく、人身事故が起こっていたところで、大半は彼のように反応するだろう。電光掲示板に表示される程度に周知されているならば、後のことは仕事をする人間がやってくれるものだとばかりに。

 前半部は『光』と地面にただ反射しているだけの光も含まれるような曖昧な描写で、水たまりの直接性は薄れさせられている。

 「命」「無視」「景色」

 

 

 

「海へ10キロ」で何故だか思い出す転校生がもらしたうんこ

 

 標識を見た拍子に、昔の記憶が思い出されるという歌。あまり親しくはない同級生の、誰でも犯しうるような子供の失敗が頭にこびりついて離れない、というところか。『何故だか』からはこの記憶が再生されることへの戸惑いや、このようなことを思い出したくはないという気持ちが表れている、気がする。

 「標識」「フラッシュバック」「失敗」