巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想140・141

延滞のホラービデオが散らばった部屋の扉を閉ざして海へ

 

 海へ向かうべく外へ踏み出し、扉を閉めている。『延滞のホラービデオ』は相手とともに見るつもりだったが、すれ違うようになって見ないままにしていたことを示す。そうなっている状況を受け入れることができないからこそ、延滞するがままの放置状態となっていた。そういった閉じこもった自分との決別がこの歌の主題。定型の音や「と」の重なりなどからもすがすがしさを感じられる。

作中主体はこの後、極端なほどにハイになっていく。

「切り替わりの判断」「行動」「明るい」

 

 

 

ハイウェイの光のなかを突き進むウルトラマン精子のように

 

やたらエネルギッシュで快活としており、勢いがある。『精子』という語が性的であり、恋人に会いに行くという状況も相まって下世話な冗談ともなるが、彼らは外の世界では短期間しか生きられない存在でもある。『ウルトラマン』自体も地上では3分間しか闘えないことが特徴の特撮ヒーローであり、不吉を予感させる。

「勢い」「明るい」「短命」