巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ感想136・137

全身に二人の指紋を光らせて調律師をみたことがないピアノ

 

 思い出に浸っている歌。ピアノを二人で触っていたことやシーツで『調律師』のことを言ってふざけあっていたことを回想している。調律師は6つ前の歌にある。

その前回の調律師の歌や『全身に』『指紋を光らせて』といった描写はエロチックさも含むが、それらも思い出であって、現状の二人の距離の遠さを悲痛なものとしている。『調律師を見たことがないピアノ』というかつての妄想の否定によって、悲しみつつも現実を直視し始めた様子、そうせざるを得ない様子が表現されている。

「エロチック」「思い出」「現実」

 

 

 

NASAという巨人の腕がロケットを抱きしめている遥かな海辺

 

 『NASA』のコミュニティに溶け込んでいる相手は自分からは『遥かな海辺』にいるという歌。『巨人』『ロケット』という語からNASAの力が強大であることが表され、その中の相手と自分との距離の広がりに重なる。『抱きしめている』はNASAの結束力、包容力の比喩でもある。『遥かな海辺』は直接的な距離にもなっている。

「疎外感」「強大な組織」「距離」