ラインマーカーズ感想122・123
手紙魔まみがありますが、そちらは全体で読んでいくので飛ばして『ラインマーカーズ』の最後の連作の感想です。
ラヴ・ハイウェイ
目が覚めたとき鼻先にくるくるとシャボンの球が回る日曜
おこしに来た者がシャボン玉を吹いていたという感じか。目覚め、シャボン、日曜と明るいものが並べられている。『くるくると』が作中主体の気持ちよさを感じさせる。『日曜』は次の歌の『お祈り』につながっていて、他にも歌と歌のつながりのある部分がこの連作には多い。
「明るい」
トム・ソーヤ―のお祈りよりも出鱈目な朝の光がパジャマを濡らす
前歌とつながる朝の様子。気持ちよく起きると、朝の太陽がまぶしく、自分よりも勝る勢いを投げかけてきた、という歌。自分と関係なく存在する環境のもたらす明るさを受け入れきれずに溢れ出しているという感じか。明るいようだが無理も生じているという部分があり、この後の厳しい展開を予感させる歌でもある、と通しでみると思った。