ラインマーカーズ感想114・115
血まみれの歯ブラシを手に近づけばぴたりととまる夜の噴水
『血まみれの歯ブラシ』は歯茎を痛めすぎたときに発生する。『血まみれ』で引き寄せてから大したことがないとネタバレで落とす。センサーに反応するものでは動き始めたりすることが多い、というところが浮かぶ。『ぴたり』から止まってしまったことによる疎外感を感じ、孤独の上に物からも反応されない、という感情が核心部?
「反応」「阻害」「孤独」
積み上げた本がブラインドの端を歪ませている部屋に目覚める
二、三句目部の意味と音の不一致後に「~る」が連体形、終止形という形で続く。内容をみれば日常における単なる居眠りの一瞬だが、『積み上げた本』という過去の動きから描かれ、それと『ブラインド』という組み合わせから仕事場所である、外は明るい、その程度しか動きが存在しないほどに静かといったことを推測。意味と音の不一致が動きのない内容に対して音の面からメリハリを与えている。その動きがない世界で、作中主体が動き始めたという感じが「~る」の連続から伝わってくる。
「風景」「動き」