ラインマーカーズ感想72・73
「腋の下をみせるざんす」と迫りつつキャデラック型チュッパチャップス
キャデラックはGMの高級車ブランド。カタカナの固有名詞というこれまでに連続していた方式が出ている。チュッパチャップスはスペインで生まれた飴、日本では森永製菓が販売。こちらはキャデラックよりはわかりやすい気がする、
腋の下は普通は見えず、見せない部分でありエロティックな意味合いを持つこともあって普通はあからさまに広げる物ではない。それを見せろと『ざんす』という口調で命令してくる。『ざんす』は漫画などでみられる、金持ちぶるおばさんが自分の上品さを逆に下品であるほどに見せつけようとする、といった漫画独特と言えるわざとらしい使い方をされるので、漫画・アニメ以外ではあまり見られず、短歌でもかなり異質な語として写る。
腋の下に何か隠していることを疑っているかのような言い方だが、そう迫りつつも『キャデラック型チュッパチャップス』である。これを持っているだけなのか舐めながらなのかはわからないが仕事(?)に対する真面目さがここで取り払われ、ただ嫌な人間だという印象が残る。
「唐突」「高慢ぶる」「品がない」「不真面目」
銀の魚銜えたフラミンゴのシートもて真夜中の単車をくるむ
単車はオートバイ、牽引自動車に対して分離ができない車全般、鉄道の3つの意味合いがある。ここではオートバイだろう。
前半部は具体的ではあるが『シート』以上の情報は結局意味がなく、それはただ『単車をくるむ』道具であったという話である。なぜそのような部分に拘るのか(暗くて見えないはずであるということも合わさる)、真夜中になぜそのようなことをするのか、という感じである。前半部分のコミカルさが、後半の目的を持った作業という感じの行為への対比の役割にもなっている。
「コミカル」「謎」「作業」「暗い」