ラインマーカーズ感想70・71
二種類の涙光れりポラロイドカメラのように不思議な夜に
ポラロイドカメラはポラロイド社の開発したインスタントカメラ。ポラロイド社はデジタルカメラへの急速な移行によって、2001年に経営破錠した。
『光れり』は古語的な言い方。『り』は完了の助動詞である。『ポラロイドカメラ』が古いものであることに関連させてあるのかもしれない。意味の取れないカタカナ語という部分は、前回の『ユリスモール』と似ている。ポラロイド社という点からみると、固有名詞であることも共通している。
『涙』から受ける悲哀感がこの短歌の中心にあるが、『二種類』という謎が置かれ、その部分を『不思議な夜に』という意味深で曖昧な舞台設定。それに付けられた『ポラロイドカメラのように』という比喩には全く具体性がなく、さらに曖昧さを強調する役割になっている。また、『光』『カメラ』『夜』は、明暗的な関連性のある語だ。小さい涙の光、道具としてのカメラ、背景としての夜の中で最も強く存在感を主張しているのは『夜』で、全体を暗い雰囲気にまとめている。
「悲哀感」「謎」「曖昧」
交叉点で写真を返す太陽の故障のような夕映えのなか
全体的に前の短歌と対象になっている。すべてのものに具体性があり、親しみのある分かりやすい語である。『太陽の故障のような』『夕映え』はそれほどまでに明るいという比喩として説得性、普遍性がある。『写真を返す』という行為自体がどういうことなのかははっきりとはわからないが、心情・景色共に明るいことから、前の短歌で悲しみの根源となっていた問題が解消したのかもしれない。
『交叉点で』と六音だが、ワンテンポおくことで全体をゆったりと見返そうという狙い?『交叉路』などがあった気がする。『叉』の字が好みなのかもしれない。
「具体的」「転換」「明るい」
体調が悪くなっていたのでサボっていました。だいぶ良くなっていると思いますが、また数回サボってしまうかもしれません。
キーワードでまとめるのは自分で気に入ったのでできるだけ続けます。