ラインマーカーズ感想31・32・33
星座さえ違う昔に馬小屋で生まれたこどもを信じるなんて
イエス・キリストのネタが続いている。次の歌では『役』とあることから、劇を強いられていると推測される。教会やキリスト教系幼稚園などのクリスマス会ではイエスの誕生劇が定番で、何度もするので飽き飽きしてくるのはもっともなことである。そうすると、捻くれた気持ちになり、この歌のような気持ちになる。大昔ということを、『星座さえ違う昔』と表現しているが、イエスの誕生において星は「東方の三博士」がキリストの誕生を知った手掛かりとされている。イエスがキリストであることの根拠として、とても重要なものであり、劇をさせられる側としても意識せざるを得ないものである。
お遊戯が覚えられない君のため瞬くだけでいい星の役
お遊戯が覚えられない僕のため嘶くだけでいい馬の役
ほとんど同じ形の短歌が続いているのでまとめる。星は前述のように重要な意味づけがあるが、『お遊戯』中では星の張りぼてを振る程度の役割であり、役の負担は少ない。『僕』の『馬』は『馬小屋』を示すための記号であり、重要な役目ではないが、セリフとして『嘶く』必要がある。本人としてはそれは『お遊戯』というほどのものではないと認識している。
星役の『君』と『僕』の距離感に注目すべきなのかもしれない。二人ともはみ出し者っぽさがあるが、はみ出し者同士で仲がいいわけでもなく、ここでも意識しているのは『僕』側だけかもしれない。ほぼ同じ形式に当てはめようとしていることで、『僕』側がそこそこ強く意識していることは読み取れるが。
『だけでいい』という表現からは、期待されていないこととそれを受け入れる負け犬じみた姿勢が伝わる。