巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ29・30

後ろ手に縛ったおまえの瞳(め)をみれば 潜水艦に満ちる音楽

 

 潜水艦を用いた誘拐という場面なのだろうか。目と目を合わせてどうのというのはロマンスの定型ではある。潜水艦に音楽が流してあることはないだろうし、『瞳をみ』たからというのはさらにない。

潜水艦に乗る、と言われて思い浮かぶのは映画やテレビなどでの場面だった。そういった物ならBGMが付いてくるのは自然。そうすると、短歌自体、映画のワンシーンに見えてくる。

空白の存在は、一歩引いた目線になろうとしているかのように見えるが、『音楽』は作中主体の大きな感情の揺れの表現で、落ち着けているわけではないのだろう。

 

叫びながら目覚める夜の心臓は鳩時計から飛び出した鳩

 

 『心臓』の登場する短歌。「心臓が飛び出す」という驚きを表す慣用句があるが、『鳩時計の鳩』を心臓に例えている。その心臓の持ち主は『夜』だ。

 『夜』が驚いた理由自体は書かれてないが、『叫びながら目覚める』とあり、夢に驚いたのかという推測になる。眠っている時間である『夜』自体が目覚める、それも叫びながら、というのは意外性がある、夜を擬人化したとしても落ち着いていそうな印象だが、それに反した者となっている。

 夜は時間の概念ということから『時計』がその体に例え、ハトが飛び出した理由を夜の驚きと例えるというのは、因果関係を逆にして述べているのである。ここで実際に驚いたのは、この作者で、突然鳴り出した鳩時計に起こされてしまった?

 

 

 偶然短歌について感想を書きたいが、難しかったのでどうなるか。