巣/人生の意味/植毛

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ラインマーカーズ17・18

校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け

 

 前の短歌と「座る」で関連がある気がする。前は眼をとじて立つという場面だったが、ここでは座りながら見るという話で、対比。

 校庭、それなりにまわりに家などあり、あまり地平線が見えないので夕焼けという気持ちになりにくい気がする、つまり個人的に共感ができない。『ローラー』の説明に前半部がかなり使われていて、情報が少ないところもある。運動部で、直前まで地ならしをしていた?

 

 

 

「フレミングの左手の法則憶えてる?」「キスする前にまず手を握れ」

 

 一句目二句目、ともに『の』が余計なせいで定型にならない。『フレミングの左手の法則』で固有名詞なので仕方がないし、会話文の体なのでさほど気にはなる要素でもない。会話文は現実感を与える効果も出ている。

 『フレミングの左手の法則』自体は物理の法則の暗記法であり、学校で習うような内容である。それなりに相手のことを知っていれば、一度覚えたことがあるかどうかについてを推測することは容易であり、『憶えてる?』に違和感はない。

 それに対する回答は『キスする前にまず手を握れ』であり、会話としては全く成立しない。急に恋愛の作法のようなものとなる。今の自分たちにとってはずっとそれの方が重要であるということが言いたいのだろう。また、覚えていないことを認めることを嫌がる、負けず嫌いな性格が垣間見える。