ラインマーカーズ15・16
風の交叉点すれ違うとき心臓に全治二秒の手傷を負えり
『全治二秒の手傷』が特徴的。すぐ直ったということから、大したことのないように思えるが、その二秒間は痛かったということである。喉元過ぎれば熱さを忘れるなどともいうが、一瞬一瞬の感覚を大事にしていけという話。
銀幕に眼をとじたまま氷だけ残ったコップを座席(シート)の下に
映画鑑賞後の行動。内容はそれなりにありそうな迷惑行動である。電車などではたまに見かけることがあるが、映画館の座席下を見る機会は普通はないので、清掃員くらいしか気が付きそうにない。
リアリティがありすぎて「悪質なポイ捨て」のような感想しか浮かべられない。映画を見る間に氷が解けそうな気がするが、氷のままであることに意味があるのかもしれない。開いていない映画館に入り込み、ドリンクを飲んでさっさと出てきたとか?
『「シート」の「した」に』は語感が似ていて、わざわざルビを振っているので、狙っているのだろう。