巣/人生の意味/植毛

note  https://note.com/rikokakeru/ツイッター @kakeruuriko

シンジケート感想229・230

ビート板抱いてまっ青に盛りあがる洗濯女のオーガズムより

 

 『抱いて』からブイを抱いた二首前の歌が想起される。アチラは男が出ていたがこちらは女が主役。オーガズムは性的絶頂のことだろうから、女の愚かさがメインであることは同じ。ブイは海に目印として浮かばせるもので、ビート板も浮くためのものである。ビート板は泳ぎの補助道具であることから、この二つの役割の違いが対比でもある。

 ビート板は『洗濯女』の洗濯板を思い起こさせる。洗濯女は昔の絵のモチーフではやったらしく、古風な人間を指しているのだろう。『まっ青』もここは海や空を指すわけではなく、ビート板のことだろう。ビート板へ同化するような盛りあがり?

 

 

 

なきながら跳んだ海豚はまっ青な空に頭突きをくらわすつもり

 

 『海豚』がメインだが、『跳んだ』時点から視界に入ったわけで、作中主体はそれを眺めていた人間だろう。『頭突きをくらわすつもり』もその人の想像である。その人間自体の中に、ポジティブな状態があるためにそう受け取られたということである。