シンジケート感想209・210
犬のためのミルク沸くまで真夜中のウエイトレスのシャドーボクシング
ウエイトレスが仕事の合間の時間つぶしとして、シャドーボクシングをするという内容。女性の行動のギャップがメインとなっている点は前首と似たところがある。
今回の場合、五句目までは普通に仕事をする様子が描写される「溜め」の部分になっている。その分急に出現する『シャドーボクシング』の衝撃が大きくなっているのだ。それまでの定型が八音で少し崩されているのも強調効果を狙ってだろう。
警官を首尾よくまいて腸詰にかじりついてる夜の噴水
この首の中では『かじりついてる』がやや長く、口語のような砕けた言い方という点で目に留まる。警官に追われているということにおびえすぎるようなことはなく、自分の手際に得意になっているような気持ちがうかがえる。