巣/人生の意味/植毛

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シンジケート感想197・198

「鮫はオルガンの音が好きなの知っていた?」五時間泣いた後におまえは

 

 泣いたことについて、ごまかそうとして関係のない話題を振る的な。長い時間泣いていたためか、妄言のような内容になっている。鮫がオルガンの音を聞くことはあまりないはずであるから。一句目が『鮫はオルガンの』と長くなっているのも焦りの一部のような感じがある。

 

 

曇天の朝のくちづけ ナフタリンで走る玩具のボートの行方

 

 ナフタリンはナフタレンとも。芳香族炭化水素で、防虫、防臭剤などとして使用。

 玩具の乗り物は、前の浅田あめを運ぶ救急車を思い出す。今回は『行方』が分かっておらず、作中主体の関心もそこにあるらしい。『くちづけ』は朝の挨拶としてのようだ。『曇天』から不運が予感され、『行方』が不安なものになっている。